MAGOさんのような考え方は当サイトYoga Action のテーマにも当たる部分なのですが、とにかくいいから「やってみるに限る」なんですよね。MAGOさんの場合、やってみるにしても今のような活動を始めてみようと思った大きなきっかけみたいなものってありましたか?
建築の会社を経営してるときに、自分の従業員にいろいろ騙されたんですよ。お金関連で騙されたりなかなかハードな事件が起きたんです。その時に本当に何のために生きてるんかな・・と考えさせられましたね。
「自分は何のためにお金を稼いできたんだろう」
「何のためにこうやって従業員を増やしていって頑張って仕事をしてるんだろう」
みたいなことを考えてました。
結局それで何もかも失ってと言ったら大げさかもしれないですが、借金だけが残ってそれを返済し続けるために生きていかないといけないような、泥水すするみたいな生活ですよ。その時に何か自分はこれから先、この命をどうやって使っていきたいかって考えますよね。もしまたお金を儲けることができたとして、良い車に乗って、何かいいものを食べてっていう生き方をしたいのか・・?と。
はたまたどんなことをしていきたいのかな?というような問いを15年前の34歳頃に突きつけられて、そこから出会う言葉が変わったり、パッと自分が気になるものが変わったり、自然界に目を向けるようになったりと、今まであんまり気に留めなかったようなことが気になるようになりました。
さらに呼吸法や瞑想にはまってしまったりとか、何か今までと違うところに自分のアンテナの角度変わっていったんでしょうね~。
なので、実は事務所の一部を無料開放したとかというのも本当に別にそんな大きなことをしたつもりはなくて、ただ目の前にいる人のために何ができるんだろうみたいなことを心の底から初めて考えられたからなんです。
ほぼ身内のような、自分の味方・仲間だと思っていた人から騙されてしまうというのは、かなり辛いですよね。特に自分が頑張って力を注いできたことならなおさらキツいと思います。
本当にそれまで自分の会社を経営して従業員を食わしていくのに精一杯だし、資金繰りのことばっかり考えてましたね。それなりに建築会社なので売り上げもあるしお金もあったんだけど、当時の自分と今の自分を比較して考えると、もう100倍もの方が幸せなんですよね。
そんな風に続けていくと、自分の根源みたいなものが見えてくるんです。
例えばスタジオの場所を無料開放しました、ラジオ立ち上げましたというのも些細なことだけれど、本当にたくさんの方々からありがとうって言われたんですよね。
例えばヨガをされている方が場所を借りて場所代払っても、もし参加される人が来なかったら赤字になりますよね。もしくは新しい集客するのなかなか大変なんですという時に、まずは僕が解放している場所を使えばいいじゃんと。無料だったら最低でも交通費だけで済むし、その場所に色々な方が出入りしているということは、新しいお客さんも僕が見つけて繋ぐこともできちゃうんですよね。
確かに無料解放されているスペースがあったら、何か始めてみようとする時のハードルも下がりますし、気兼ねなくチャレンジしやすくなりますね。
1つ1つは小さなことかもしれないのですが、そういうことでもすごくありがとうという言葉をいただけるんです。そういった小さな小さな幸せの積み重ねみたいなものが、意外と自分に合ってたということに気づいたんです。「なんか僕、結構こういうの好きかも!」みたいな・・。
周りから見るとね「そこまで人のためにやらなくていいんじゃない?」ってよく言われるんだけど。意外と喜んでる自分がいるというのも事実なんです。
それって実は人のためにやっているようで、実際は一周回ってただ自分がそれをやって嬉しいからやっているだけだったりしますよね。
そうですそうです、本当におっしゃる通りでそれが自分にとって一番幸せなのかな・・というだけです。
これに多くの人が本当の意味で気づけると、結構楽になりますよね。
別に自分をすり減らしてやっているわけではないんだよと、伝えたいですね。
人間のエゴが及ぼすものとは?ヨガ哲学を日々の仕事や生活で実践するということは・・
僕、「吾唯知足(われただたるをしる)」という言葉が大好きなんです。
今あるだけで十分幸せなんじゃない?それ以外の出来事はもう全ておまけだと思っているので、人と比較したり嫉妬とか他にベクトルを向けるのではなく、まずは自分を愛してあげてぬくもりも感じながら、両足を使って歩けるんだったらとりあえずはそこに感謝した上で、何か小さな感動を積み重ねていきゃいいんじゃない?ぐらいの気持ちで色々なことに取り組んでいます。
何が何でもここでいくら稼ぐというのも大事だけど、まずはそういった小さな感動を刻んでいってほしいなと思います。
もしMAGOさんが、誰かから「何かしたいという気持ちはあるのですが、何を行動すればいいか分からない」という相談をされたらなんと答えますか?
「地球に優しく生きていけばいいんじゃない?」ですね。あまり人間のエゴで負荷をかけすぎずに生きていこうよと。
ただ、それって結構難しいことなんですよね。やっぱり経済のことを考えると、何か商品を売りたい人は消費者を広告宣伝で洗脳しないといけないし、購買意欲を駆り立てないといけないでしょうし・・こんなに物にあふれていて、もうこれ以上いらんでしょっていう時代で空き家率は上がってるのにまだまだ家を建てて、こんなに色違いの服いる?というぐらいの衣類も作られていますよね。
戦争中〜戦後から一気に足りなかった物が大量製造されて、今では余るほどの物があふれていますね。
ありとあらゆることすべてが麻痺していると思います。それにもし、その全ての本当の本当のことをやっちゃうと既得権者からバッシング受けるし、いろんな圧力もかかるし、場合によっては消されてしまうっていうことも実際起きるじゃないですか。
ただもうこれ以上やりすぎると地球が何個あっても足りないでしょう、というのも事実ですからね。コロナになって思ったのもちょっと極端な言い方になってしまいますけれど、みんなもうちょっと自分の生き方を振り返ざるを得ない状況に突きつけられるまで、自然に淘汰されるものはそのまま潰れたらいいのでは・・・とも思っていました。
一応、最低限の方が自分たちで農業をして作ってご飯を食べていれば死なないわけですし、原点回帰になるきっかけにコロナはなればいいのになぐらいの感覚でいました。ただ全てが原点回帰することはすぐには絶対無理かなと・・少なくとも僕らが生きてる間は絶対無理な気がするので、あとは意識だけの問題だと思います。
このままだったら明らかに大変なことになるのは薄々分かっているけれど、見て見ぬ振りをし続けたことで明るみに出た問題や課題が、コロナパンデミックをきっかけにたくさん出てきましたよね。まだまだ氷山の一角かもしれませんが。
ですので、もし「何をしたらいいか分かりません」と聞かれたらとりあえず「地球に優しく生きてみれば」と答えます。だからといって、何かそれしかしちゃ駄目ということではなく「そういう意識でちょっと気にかけながら生きてみたら?」というだけの話なのですが、最初から何もかも100%全部やることは無理なので、最初は自然について勉強をしてみるとか、自分で洋服のリメイクをしてみるとか、おばあちゃんからもらったものをちょっとリメイクして今風にいい感じで持ってみるとか。 何かそういった工夫をしてみるのも、負荷をかけない行動の一つかもしれないですよね。
環境問題に対してこれをしなきゃいけないというだけではなく、意外と周りにそういった負荷をかけない優しい生き方ってたくさんあるので、本当にちょっとしたことでいいと思います。
経済を回し続けることと環境問題の解決や保護は両立できる?
少しスケールが大きい話になってしまうかもしれないのですが、MAGOさんのいうような地球に優しい生き方みたいなものと、世界的な規模で見ても経済との両立って可能だと思いますか?
私個人で思うところで言うと、もちろん理想は地球に優しく負荷を書けず、社会で起きている問題を解決する仕事をしたいよねとか、それで人々が経済的に満遍なく豊かになることって両立することができるのかな?という部分に疑問を感じているんです。
例えば今の日本はある程度の衣食住の国のインフラは整っていますし、もう物も有り余るほど供給されている状況だとおもうんですね。だから環境問題に目を向けられる余裕もあるのかもしれないですが、発展途上国からすると「いやいや、こっちこれからみんな豊かに暮らせるように頑張るんだから、環境問題とか地球の心配をしてる場合じゃないよ」と思われると思うんです。ここの経済と地球環境を大切にすることの両立って、どうしたらできると思いますか?
経済で言うと、まずお金というものの存在がいつまで続くのか分からないですが・・情報や意見を発信しやすい時代になっているし金も集めやすい時代になってきているので、究極はリアルな現場でのクラファンやSNS上のクラファンもそうだけど、お金ある人が出して、ない人は素直に「お金ください」って言えばいいんじゃない?と。それがもっと言いやすくてやりやすい世の中になればいいなと思います。
あーーすごく分かりやすくて腹落ちします。シンプルですね。
クラファンみたいな存在が一部その動きに当てはまると思います。誰かや何かのストーリーに共感した人がそこにお金を出すという。それが小さなコミュニティーからもっともっと大きなコミュニティーまで広がってくれたらいいなと思いますね。余剰金をたくさん稼ぎ過ぎた人は、そんな形で色々なところに渡していけるような仕組みがもうちょっとうまくできてほしいですね。それは人の繋がりからになるかもしれないし、強烈なインパクトを残せる方はSNSを使ってドカーンとできる人もいるかもしれませんが、ほとんどの方はそこまでできないと思うので。
経済について助けが必要なら、経済ちょうだいって言えるような仕組みと環境が整うといいかなと思います。
ごちゃごちゃ考えてしまうと答えが見えなくなりがちですが、意外とその答えはシンプルに出てくるものですね。
大抵の人が、怠けているだけではなくて何かしら頑張っているわけですから・・よっぽどその人が堕落してたら「なんでお前にやらなあかんねん!」って話になるかもしれないけど、大半の人はそれなりに考えて生きていると思うんです。
甘いよって言われるかもしれないけど「ちょうだい」と言われたら、「はいあげる」ってできるような世の中になっていいんじゃないの、かっこつけなくてもいいと思いますし。
ただ自然にあるところからないところにお金であったり、何かしらのエネルギーであったりが流れてくれる世の中にしていきたいですね。
MAGOさんが思い描く優しく人の思いが循環する社会を実現するために
他には今仲間と一緒に食物を育てて食べられる庭作りを農業という形でやってみたりもしています。
震災が起きた時にも、街路樹に税金使ってみずぼらしい姿にカットされる木々をみた時に「こんなことにたくさん税金使うなら街に誰でも野菜をとって食べられるような場所を作って、キャベツや人参でも植えて育てたらいいのに・・」と思ったりしました。
もし「もうすぐ会社が倒産しそうで、首吊ろうかと・・」という状況の人がいたとしても、「とりあえずキャベツとか食べられる物持って帰ってください、死にはしないでしょ」ってなりますよね。とりあえず食べて寝られれば良いわけですから、空き家もこれだけ余っているんですから「ちょうだい」で良いと思いますけどね。
「会社クビになった。住むところもない」
「じゃあこれも何かの縁だし、この空いてる部屋に住めば良いんじゃない」
「ここに野菜もあるし持って帰って、とりあえず月3~4万円あれば生活できるんじゃないの?」
みたいな感じで。
それってすごく本来の人間らしいところですし、できないことはないはずですよね。
究極ですけど、ちょうだいって言える社会で良いと思うんですよね。
最低限の衣食住があれば争いとかも減ると思うので、そういう考えをする方が手を繋いでいければ良いなと。
MAGOさんがやられていることや言われていることって、シンプルで人間の本能的なことなのでそう難しいことではないはずだと思うのですが、今の社会ではなぜそういった社会が成立していないんでしょうか・・変に賢くなりすぎちゃったんですかね?
確かに勉強と言ってもただ知識を覚えるだけの教育ではなく、本来の人間のあり方みたいなところはゆくゆく教育もしていきたいですね。
僕も大人になってからヨガと出会って、呼吸法や瞑想のやり方、食のあり方も学んでいますけど、みんな大人になってからお金出して学びにいっていますからね。それだけ生きるために必要な大切なことだったら小学校から教えていったりしてもいいし、人間力を高めるような学校はあってもいいんじゃないかなって思ったりもします。
教育はその国の未来を決める大切な分野ですよね。アカデミックな学びだけではなく、人が1つの生命体として強く豊かに生きるための知恵もこれからの時代は必要になる気がします。
最後に、この記事を読まれている方に向けてのメッセージやこれだけは言っておきたいことがあればお願いします!
「とりあえず生きててください。」ですね。
多分今でも大変な方もたくさんいらっしゃると思うし、コロナになってからも苦しんでる方もいらっしゃると思います。人間って結局、生まれてきてご飯を食べて排泄して、こうやって喋って人とのぬくもりを感じてそれで死んでいくだけの動物なんですよ。
今はそれがすごく希薄になりつつあるような気がします。特に若い世代に言いたいのが、どうしてもそういう環境で生まれてきちゃっているのもあると思いますが、ネットの情報やテレビの情報が全てじゃないので、バーチャル空間の中の世界だけではなく、人対人の温もりや繋がりみたいな物を泥臭く感じていきたいと思う人が増えたら嬉しいなと思います。
なんだか「もっと頑張れ!」「行動行動!」みたいなことだけでなく、その前段階の「とりあえず生きる」ということの大切さを実感する言葉ですね。とにかく優しい・・!!!
これまで散々「人よりすごくあれ」「個性を発揮して~」みたいな向上心溢れる言葉にプレッシャーや疲れを感じていた人にとっては、ほっとしますし心に染み渡るような気がします。
それでお金がなくなったら「ちょうだい」でいいので。
合言葉は「ちょうだい」にしましょう(笑)
本当に困った時に「ちょうだい」って素直に言える人をもっと増やしていきましょう!
なんだかMAGOさんのお話を伺っているとヨガ哲学をそのまま普段の考え方に取り入れられていて、実生活でもの行動に反映されているような印象を受けます。
ヨガのグルからヨガ哲学の実践をお聞きしているような気持ちになりました。
49歳のおっさんの独り言を最後まで聞いていただき、ありがとうございます!(笑)
MAGOさん本日は貴重で濃いお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
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