「誰かや社会のために何かできることをやりたい」と言っても、何から始めたらいいか分からない。
【名前】山田 真郷(やまだ まさと)
【ニックネーム】“MAGO” と呼ばれています。イタリア語で“魔法使い”!
【主な活動場所】兵庫県
【家族構成】妻、息子(小6)
【好きな言葉】 我唯足るを知る
【主な活動】様々な活動をしてきましたので何者?と思われてしまうかもしれませんが、多岐に渡る経験が私の糧となっています。
【経歴】
一級建築士/ラジオパーソナリティ/ラジオスタジオオーナー/ラジオ局番組制作/神社奉納関連/イベントプロデュース/カメラマン/動画撮影/NPO法人立ち上げ/専門学校講師/ゴミ拾い活動/百貨店イベント企画などなど
【SNSアカウント】@mago.with(Instagram)
【運営しているラジオサイト】fm GIG
元々は一級建築士で建築会社経営をしていたのだけれど・・
MAGOさんのプロフィールを見ると多才過ぎてもはや何者?(それこそ魔法使いですか?)と思う方が多いと思いますので、まずは現在主にされている活動から教えてください!
インターネットラジオのスタジオの運営ですね。FM GIGという名前で運営しています。スタジオ自体は京都で20年に立ち上がったのですが、私がその権利を買わせていただいてから10年になります。ラジオスタジオを立ち上げる前からは建築会社を経営していたので、その事務所の中にスタジオを兵庫県の西ノ宮で作っちゃったみたいなイメージです。
ラジオのスタジオを運営するのに権利が必要なのですね。
そうですね。立ち上げ当初は自分が経営していた建築会社のスペースの一部を「自由に予約して使っていいですよ~」と無料解放してみたら、そこのラジオスタジオで何か活動をしたり発信したい方々が出入りされるようになって、例えばヨガ・アロマ教室・ロミロミ・託児所やハープの演奏会、何かのセミナーなんかも、あれよあれよという間に人が集まる場所になりました。
そこから、「NPO法人ツナガリっちょ」という団体を作って、人同士の繋がりが生まれるようにお手伝いするようなことも始まったんです。そんな風にたくさんの人が集まるようになってくれたので、何かみなさんが発信する場所をつくりたいな~と思ってラジオのスタジオを作りました。皆さんの思いや活動を、ラジオを通して声で残せるようにしたいなという思いで今も活動しています。
MAGOさんもご自身でラジオ番組持たれてるとのことですが、すみません・・私平成生まれなので、お恥ずかしいのですがラジオと聞いても「ドライブ中にどこからのFMラジオのチャンネルを拾ったら流れているな~♪」というくらいの知識量なのですが、これってどうすれば聞くことができるのでしょうか?
インターネットラジオなので、スマホでググっても全然見られますよ!海外でも聴けるので、僕のアメリカにいる友達なんかも聞いてくれますよ~。
MAGOさんの運営するラジオスタジオ、FM GIGについてはこちらからチェック!
私たちもうテレビもほとんど見ないですし、特に若い人たちはニュースはネットやアプリでチェックするとか、SNSよく使う、YouTubeの動画見て情報を入手する人が現代は多いですよね。これからさらにそういう人たちも増えて行くと思うのですが、こういった種類のメディアとラジオの違いってどんなものがありますか?
声って何かしながらでもできるし、何よりもその方の命が耐えてもこの時その瞬間で喋っているものをこの世に残せることかなと思います。ラジオ番組という30分の決まった枠の中でダラダラ喋るのではなく、密度のレベルをあげた番組を作る事で双方にとって緊張感があっていいものが作れるという面もあると思います。
こうして本当にたくさんの様々なジャンルの方が僕のスタジオで番組をやってくださっている中でも、以前パーソナライズされていた方が若くして亡くなられた事があったのですが、その方の音声は残りますよね。
ずっとここで番組持ってくださっていたので、やはり亡くなられたことは悲しいですし、まだ若いのにな・・とも思いますが、その方の当時の音源っていうのは今でも残ってるので。こうして今起きていることを肉声に残していける、みたいなイメージかなと思います
本や文章などの文字は誰が書いたものかそれだけ見ても判別できないですが、本人の肉声は残りますもんね。その人の生きているその瞬間を切り取って形に残せることって素晴らしいことだと思います。
その後も躍進が止まらない様子のMAGOさん。他にはどんな活動を?
特にこの 10年を振り返ってみると、気がついたらいろんなことをしてきたんだな~というのが一番ですが・・。
例えば人が集まる場所を作れたので、何かを発信したい方が伝える場所を作ってそこからさらに人が集まることでできるイベントを開催したりしました。
8年程前には、高樹沙耶さんを石垣島から大阪の公会堂にお呼びして、「地球からのメッセージ」という400~500人規模ほどのイベントを開催したこともありますね。
当時は高樹沙耶さんが大麻についての活動に力を入れていらっしゃって、日本でやたらに「大麻は悪だ!」というだけで、ただ危ない、ドラッグのように吸うものとして認識されがちだと思うのですが、その本当の姿と大麻がこの国を支えてきた文化の歴史や、海外での医療大麻の解禁についての情報も伝えられていました。
かなり大規模で人が集まるイベントもやられているのですね。人が集まるだけ大変なことも手間もかかると思うのですが、どんな気持ちでやってみようと思われているのですか?
きちんと起きている事実を発信する場所にしたいという思いでやっていますが、僕はどちらかというとゼロから1を作るエネルギーが強いだけなんです。あとはもうイベント主催を腹くくってやる、大きなホールを押さえてやってみようという覚悟を持ってやっています。
他にもカヒコフラ(古典フラ)をされている方、ネイティブアメリカンフルートの奏者の方、神社の神職の方を集結させてイベントをする場所と機会を作ったりもしました。あとは大学の同級生の仲間達と一緒に、全世界でも点在しているグリーントリックス神戸という団体を立ち上げました。そこでは例えば土について、在来種の種についてや知ってるようで知らないオーガニックの裏側についてなんかをスピーカーさんに来ていただいて、大学生と大人がそこで交わって話を聞き、お酒を飲みながら話し合うみたいなことをしています。多分「そういった場所を作ることが僕の使命なのかな?」と思って活動は続けてきました。
MAGOさんにとっても、その場所やコミュニティーの中で受ける刺激や気づきもたくさん出てきそうですね。
そうですね~・・やっぱり知らないよりは知っている方がいいと思うし、知ることによってジャッジメントが変わることもあると思います。それによって日々の選択もちょっと変わればいいかなという感覚ですね。ありがたいことに気がつくと本当に色んなジャンルの方々と携わる機会をいただいておりますが、元々はただの一級建築士なのでもし建築だけをずっとやってたらきっと出会えないであろう方々ともご縁をいただけております。
他にも、何か自分が動いたことで思いもよらなかったご縁があったり起きた出来事はありましたか?
ラジオスタジオを立ち上げたことで一時期は大阪のラジオ局の番組のプロデューサーをする機会もいただいて、10個ほどラジオ番組を手がけたこともあります。これもおそらく建築だけやってたら味わえないようなジャンルの活動に出会わせていただいたなと感じています。
自分が「これをやってみよう」と思う根源にある思い
やっぱり何事もやってみないと、何が起きるかは分からないですよね。建築業界とラジオで何かを発信する場所作りをすることって一見別々なことのようにも見えますが、こうしてMAGOさんが自分で決めて動いたことで生まれた出会いやストーリーが実際にありますもんね。
お話を伺っているとなんとなく携わっていることやジャンルが芸術関係・アーティスティックであったり、自然について学ぶことであったりと、優しくてどこか柔らかみのある印象を受けるのですが、いつもどんな基準で「これをやろう!」って決めていますか?
う~ん・・なんかせっかく今生かされている人生があるんだったら、もっと自由に枠を広げてこの命を全うしていきたいなとは個人的に思っているんですね。
そうなると、誰かの人生も何となく手のひらの上で転がされてるような人生を歩むのではなく、自由に動くきっかけにして欲しいなという思いもあって・・ちょっと偉そうな言い方になってしまうかもしれませんが、その思いを次の世代へ繋いでいきたいなと。大きく言うと生き方とか自分の命の使い方みたいな話になってきますが、それを細分化していくと多分その結果として選んだ時間の使い方であったり、何をするのか、どこからどういう情報をキャッチするかということなんだと思います。
例えば今情報も供給過多になってきているので、その情報をどういうふうにして正しい情報を知ればいいのかって、本当に複雑で大変な世の中になっていると思うんですね。そんな中だからこそ、本当にシンプルに自分が何をしてどう死んでいくかという基準で考えてみると、入ってくる情報も変わるのではないかと思います。
そこで僕からも、これまで経験させていただいた中からちょっと行き詰まってる人や何か悩んでる人にちょっとでも力になりたい、何かできることをしたいという思いでこの10年間ただ突っ走ってきただけです。
何か動く動機みたいなものに素直に従っていると、迷いもなくなりますよね。誰かの力になりたいと思った時、誰でもできそうなことはどんな方法があるのでしょうか?
例えば活動の一つに毎月ゴミ拾いを続けていてそれも9年目になるのですが、はたから見ると「ゴミなんか拾ってどうするんですか」と言われるかもしれませんが、いやいやそうではなく、「ゴミ拾いという名の場所を毎月作ってるだけなんですよ」と。
生きてるといろんなことがあるので、もし今経済的に有意義な知識を得られるセミナーがありますとか、例えばこういうイベントがありますっていうところにも足を運べないような状況方々でも、ゴミ拾いの場であれば誰でも来れると思うんですね。
僕はどっちかっていうと、バチバチにこういう風にこうこうして〜経済を回して~それをどうこうするというよりは、どちらかというとゆるい系かもしれないですね。
とにかく「まずは生きてるだけでいいんじゃないの?」ということをもう1回再確認していただきたいなと思っています。
何だか昭和の経済成長期の利益を上げてナンボだ!みたいな資本主義的な動きとはまた逆行しされてるように見えますね。
そうですね~、イベントとは言ってもいっぱいやってきてその分いっぱい失敗もしてきたから思うのですが、多分そこがちゃんとビジネスライクにできて賢い人であればちゃんと計算をして「これぐらい利益が残るからこういうイベントをしよう」とかできる人の方も多いと思うんですけど、僕はどちらかというと先に決めちゃう方なので、イベントの蓋開けたら大赤字とか・・多々ありますよ。
いやいや、数字あまり確認しないで先にやっちゃえるのがすごいですよ(笑)
どうしても規模が大きくなってくると、例えば2000人とかのイベントを主催した時もありますが全然お金が足りないんですよね(笑)
前にギネス世界記録をとったイベントは結構すごかったですね~。
東日本大震災で被災した東北に定期的に通ってた時があるのですが、その時に出会った子供たちに「何か明るい未来をしてあげたいな」「子供なんか喜ぶのって何かな」と考えて、豚まんを並べてギネス世界記録でもチャレンジしようかな、と思って神戸でイベントを企画してみたのですが、そしたらもう規模が大きくなりすぎてしまって・・全国から人が集まり始めて、チェッカーズの高本さんとかも来てくださって、本当にいろんな方々が人が人を呼んで集まってくださったんです。
当日もボランティアスタッフだけで200名近く来てくれたり、僕が全然知らない人も、人が人を呼んで誰かのSNSを見て「こんな素敵なイベントがあるんだと思って来ました!」みたいな感じできてくださったり。
もうちょっとね、お金儲けをちゃんとしようと思ったそんなイベントはしてないと思います(笑)
素晴らしい試みであることは間違いないですね。
多くの人が「稼ぐために」「収入のために」何をしようかという順番で考えたり動く方もいて、確かにそれも1つの手段であり考え方だとは思うのですが、MAGOさんの場合はもう順番が逆なんですかね?先に自分で何かやってみたいな~とか、これが誰かのためになるな、と思ってやってみた後に利益について考えるという感じですか?
そうですね。考える前に行動するタイプだし、例えば自分でやってうまくいったこと上手くいかなかったこと、つらかったことも、結局やったから自分の細胞に刻まれるし、経験に勝るものは僕はないなと思っています。
この言葉です!待っていました。これ読まれているあなた、ここ大切なポイントですよ!(大声)
結局やった人にしかわかんないんですよね。そのシーンであったり裏側であったりとか・・人間ってやっぱり表面的なところ捉えようとするものですが、そこの奥底にあるシーンというのは当事者にしかわからないものなんですよね。
1回きりの人生でいかに自分の細胞に経験することや起きたことを刻んでいけるかなので、不安とか恐怖とかまだ起きてない事柄を想像するがゆえにその一歩踏み出せなかったりすることは、すごく悲しいことだとも思います。
もったいないですよね。
いや~もったいないですよね。頭優先でいろいろ考えちゃうと行動に移せないのであれば、僕みたいにあまり考えずに突っ走ってきた人間が1人ぐらいいた方が、背中を押してあげられることもあると思うんですね。
誰かが一歩始めたのを見て動いてみようか~となることもありますからね。
1回踏み込んでみて、僕からも人によって蹴飛ばすときもあるだろうし、そっと背中を押すときもあるだろうし、もしかしたらもっと強く投げてしまうときもあるかもしれません。
飛び込んでみたら、実際は自分が勝手に想像してたその不安も案外そうでもないんですよ。「なんだ、こんなもんだったんだ」っていうところに気づけたら、またその人の前に同じような人が現れるときに大丈夫だよって寄り添ってあげられるじゃないですか。
そういう意味で言うと僕はマネージメント能力が低いと思うし「考える前にやってみよう、とりあえずやってみればいいんじゃない?」というスタイルです。
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